郷土料理
茶粥(ちゃがゆ)



茶粥の起源は約1,300年前の奈良時代。大仏の建立に携わった民衆が、少ない米を食い延ばす為に食する様になったと言われています。
志々島は平地が少なく少雨である為、昔から米が作れませんでした。
米の代わりに、麦やその他の雑穀・さつまいも等を入れて作った茶粥は、志々島の日常食でした。
戦後は米が手に入りやすくなった事で、茶粥にも米を使う様になりました。
早起きして仕事をした昔の島民は1日4回食事をし、その4回とも茶粥を食べた人も居たそうで、茶粥好きの多い島だったと言えます。
茶粥に使うのは碁石茶という発酵茶で、酸味と渋みがある黒い塊のお茶です。
悪玉コレステロールの低減や腸内環境を整える効果があります。
現在は、高知県の大豊町でしか作られていません。
碁石茶を使った茶粥は、香川県の離島特有の物です。
※他県では番茶やほうじ茶を使います。
お平(おひら)



お祭りや祝い事など、おめでたい席には欠かせない料理です。
平たいお皿に盛り付けた事から、お平と呼ばれる様になりました。
イリコ•昆布•椎茸の出汁で油揚げや高野豆腐•人参など7種類の具材を炊いた物で、彩りを考えてこの様な組み合わせになったと言われています。
油揚げは1/2枚•蒲鉾は1/2本と、具材が非常に大きい所が特徴です。
昔から人をもてなす時は、何でも沢山あげるというのが島民の気質だった為、その名残りとも言えます。
カンノメ
志々島では、正月に餅をつかずに「カンノメ」という米粉団子を作ります。
安土桃山時代、年の瀬にお餅をついていると、対岸の城から落武者が逃げて来て、餅つきどころではなくなったそうです。
以降、お餅をつけば良くない事が起こるからと、お餅をつかなくなったのがカンノメの由来と言われています。
うるち米と餅米を混ぜた物を挽き臼で細かく砕き、水で練って小判型に丸め、茹でれば出来上がりです。
雑煮に入れたり、焼いて食べると美味しく、これもまた祝いの日の食べ物の一つです。



しょいのみ
しょいのみとは豆麹と麦麹を塩水に漬けて熟成させた物で、これを搾って漉した物が醤油になります。
そうした理由から「醤油の実」とも呼ばれ、醤油の濃厚なうまみとコクが凝縮されています。
志々島では焼き魚に付けたり、そのままおかずとして食されていました。

